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片山津温泉五代目総湯 感謝

昨夜、温泉に感謝の念を奉げんが為、総湯に入りました。

いよいよ本日、五代目総湯、最後の日です。

温泉地は総湯が中心になって町が形成していると申し上げても過言ではありません。

片山津温泉は民家の一軒も、何も無かった土地に温泉のお陰で町が出来ました。

正に温泉様様。ここに住む者誰一人として温泉の恩恵を授かっていない者はおりません。

でも、そんな基本中の基本を忘れている、いいえ知らない人が増えてしまっています。

(と私は感じています)

 

愛染寺はこの町が温泉に感謝をし、皆で仲良く大切にして後世に伝えていく。

その当たり前すぎることを当たり前になるようこれからも念じてまいります。

 

総湯の外観はインターネットで結構見られますが、私は男湯の脱衣場から浴室の入口の

写真を撮りました。

五代目総湯内部

 

以下は明日の五代目総湯、閉湯式で申し述べる「表白文」です。

元より浅学非才の身です。稚拙な文章です。笑われるかもしれません。

しかしながら恐れずに公開いたします。

 

 

啓白

真言教主大日如来両部界会諸尊衆 殊には瑠璃光山愛染寺

御本尊薬師瑠璃光如来日天月天並びに法界擁護十二神将等

一切三宝の境界に白して言さく

それ温泉と者 古来より万人が最も身近に接する天然の

資源であり病気や怪我の平癒を担った医療施設なり

温泉で病気や怪我の治癒するを感謝し温泉を信仰の対象とす

さて惟れば薬師瑠璃光如来とはその本願経に諸の有情衆病逼切して救なく帰なく医なく薬なく親なく家なく貧窮多苦ならんに我之名号一たび其耳に経なば衆病悉く除こり心身安楽にして家属資具悉く皆豊足し乃至無上菩提を証得せんとの大願を立てり 大願とは自利のみならず他利をも願うが故に大願という

本日は湯治場として我らに恩恵を与えし五代目総湯の閉湯に際し長きに亘る御恩に感謝の誠を捧げんがために恭しく一座を執り行う

願わくば総湯の意味合いで有るところの温泉は誰のものでもなく皆の宝であり 地域社会で共有し利用すべきとの歴史を大切にされよと願うものなり 目先の利益を求むべからず 歴史を絶ち切ることなく子子孫孫にまで伝えたまわんことを

乃至法界平等利益

 

維時 平成二十四年四月二十一日

瑠璃光山愛染寺第三十三世 秀岳 啓白

 

 

 

2012年4月20日